量子技術のハードウェアとミドルウェア、その両方を構築する
Quantum Quadratum Technologies(QQT)は、量子コンピューティングを構成する二つの相互補完的な領域で技術開発を進めています。
一つは、LanM–Dy³⁺を基盤とする量子ハードウェア。もう一つは、さまざまな量子コンピュータと実世界の課題をつなぐ量子ミドルウェアです。
QQTが目指しているのは、新しい量子デバイスを開発するとともに異なる方式の量子コンピュータを共通の枠組みで評価・活用し、量子ハードウェアを現実の計算課題へとつなぐ技術基盤の構築です。
これら二つの技術領域について、現在、特許出願中です。
LanM–Dy³⁺ Quantum Hardware
分子を基盤とする新しい量子アーキテクチャへの挑戦
QQTは、LanM-Dy³⁺を利用した、新しい量子ハードウェアの研究開発を進めています。
ランモジュリン(LanM)は、希土類元素に対して非常に高い親和性を持つ天然由来のタンパク質です。
QQTでは、Dy³⁺に結合するLanMによって量子システムを構築できる可能性を研究しています。現在、この分子アーキテクチャを量子ハードウェアへと発展させるために必要となる、以下の基礎的な技術課題について研究を進めています。
- 量子状態の定義と制御
- コヒーレンスおよびデコヒーレンス特性
- Dy³⁺間の相互作用
- 量子状態の初期化、操作、読み出し
- 個々の量子ユニットからマルチ量子ビット・アーキテクチャへの拡張性
- 実用的なデバイス構造への実装
長期的には、LanM-Dy³⁺システムが、分子スケールの量子コンピューティングおよび量子センシングを実現する新たな技術基盤となり得るかを検証することを目指しています。
知的財産
QQTおよび関連する技術開発会社では、LanM-Dy³⁺量子技術プラットフォームおよびその応用に関する知的財産権の確立を進めています。
特許出願中
Quantum Middleware
量子ハードウェアと実世界の課題をつなぐ
現在、量子コンピューティングでは、超伝導、イオントラップ、中性原子、フォトニクス、量子アニーリングなど、さまざまな方式の開発が進められています。さらに将来は、分子を利用した新しい量子システムが登場する可能性もあります。
それぞれの方式には、異なる性能、制約、動作特性があります。
そこでQQTは、特定のハードウェア方式に依存することなく、アプリケーションと多様な量子コンピューティング・リソースをつなぐ共通レイヤーとして機能する、ハードウェア非依存型の量子ミドルウェア・プラットフォームを開発しています。
ユーザーが最初に量子コンピュータを選択するのではなく、まず「解決すべき問題」から出発し、その問題をどのように表現・評価し、どの計算リソースで実行することが適切かを判断することを基本的な考え方としています。
- Problem Translation
- 実世界の計算課題を、最適化問題やハミルトニアンによる定式化など、量子計算や量子・古典ハイブリッド計算に適した形式へ変換します。
- Hardware Abstraction
- 異なる方式の量子ハードウェア、シミュレータ、古典コンピューティング・リソースを、共通のフレームワークから利用・比較できる環境を構築します。
- Execution Optimization
- 問題の特性と利用可能なシステムの能力に応じて、適切な計算リソースを選択し、実行方法を最適化します。
- Result Evaluation
- 一つの量子コンピュータから得られた結果をそのまま正しいものとして扱うのではなく、異なる量子デバイス、シミュレーション、古典計算などの結果を比較・評価します。
- Evidence-Based Execution
- 計算がどのような条件で設定・実行され、どのように比較・検証されたのかを追跡可能な形で記録し、計算結果の信頼性を評価できる仕組みを構築します。
QQTが目指しているのは、企業や研究者が特定の量子ハードウェア方式に依存することなく、量子コンピューティングを活用するための共通インフラストラクチャ・レイヤーを提供することです。
知的財産
QQTのミドルウェア・アーキテクチャおよび実行手法を構成する主要技術について、現在、特許出願中です。
QQTの知的財産戦略は、個別のアルゴリズムだけではなく、計算課題、量子コンピューティング・リソース、そしてエビデンスに基づく計算結果を相互につなぐアーキテクチャそのものを保護することを目指しています。
一つの技術戦略、二つのレイヤー
QQTの量子ミドルウェアと量子ハードウェアは、量子技術の異なるレイヤーを担います。
アプリケーション/実世界の課題
QQT Quantum Middleware
問題変換 | リソース選択 | 実行 | 比較 | 検証
Quantum Hardware Layer
超伝導 | イオントラップ | 中性原子 | フォトニクス | 量子アニーリング | その他の方式
QQT LanM–Dy³⁺ Hardware
開発中の独自分子量子アーキテクチャ
この二層構造は、QQTの技術戦略の中核をなすものです。
ミドルウェア事業は、特定の量子ハードウェアが将来商業化されることを前提としません。現在利用可能な量子システムを対象として、開発・事業化を進めることができます。
その一方で、LanM–Dy³⁺の研究開発を進めることで、長期的にはQQT独自の量子ハードウェアを同じ技術エコシステムに組み込む可能性を追求します。
ハードウェア非依存から独自ハードウェアへ
QQTの技術戦略は、異なる時間軸を持つ二つの開発プログラムから構成されています。
Quantum Middleware
既存および今後登場するさまざまな量子コンピューティング方式に対応できる、ハードウェア非依存型の量子ミドルウェアを開発します。
LanM–Dy³⁺ Quantum Technology
LanM–Dy³⁺技術を、量子コンピューティング、量子センシングその他の量子技術に応用可能な、独自性の高い分子量子プラットフォームへ発展させることを目指します。
この二つのプログラムを組み合わせることで、QQTは、現在形成されつつある量子エコシステムのインフラストラクチャ・レイヤーと、将来の量子システムを支えるハードウェア・レイヤーの双方への展開を目指します。